第52回福島県写真展表彰者(入賞者名簿)・審査員講評

 ★ 入賞者名簿の末尾に、入賞作品7点について、審査員の岡本洋子先生の講評を掲載しましたのでご覧ください。

◇一般の部

NO. 賞        名 題     名 氏    名
1 福島県写真連盟大賞・福島県知事賞 春待つ湖上 高橋 直裕
2 福島県教育委員会教育長賞 領域展開 堀川 亮
3 福島県芸術文化団体連合会長賞 宇宙へ 齋藤 ひろ恵
4 福島県議会議長賞 一番列車 遠藤 康彦
5 福島市長賞 春眠 矢舘 実也
6 福島市教育委員会教育長賞 仲直り 熊田 裕子
7 福島市文化団体連絡協議会長賞 狐火 高橋 大
8 伊達市教育委員会教育長賞 西陽射す 佐藤 美智子
9 二本松市教育委員会教育長賞 色葉散る 須藤 好
10 本宮市教育委員会教育長賞 晩秋の陽 宍戸 良之
11 郡山市教育委員会教育長賞 北へ 笠原 壽一
12 田村市教育委員会教育長賞 夏の終わり 吉田 政孝
13 須賀川市教育委員会教育長賞 桜佇む 沼崎 勉
14 白河市教育委員会教育長賞 小さな冒険 吉田 正男
15 会津若松市教育委員会教育長賞 洗礼  荻野 二三子
16 喜多方市教育委員会教育長賞 螺旋 長井 佑司
17 相馬市教育委員会教育長賞 歓喜の雄叫び 新妻 好幸
18 南相馬市教育委員会教育長賞 サプライズ 伊藤 諒
19 いわき市教育委員会教育長賞 厳冬の湖畔 鈴木 洋
20 (公財)福島県文化振興財団賞 真赤に燃えて 池上 和夫
21 福島市写真美術館賞 秋を吸う 小林 宗一
22 福島県労働福祉協議会会長賞 冬の陽 野地 順
23 (公財)福島県観光物産交流協会賞 曼荼羅界の宴 村山 和子
24 福島民報社賞 向日葵と天の川 阿部 慶一
25 福島民友新聞社賞 全力疾走 矢部 美保
26 (株)日本写真企画(フォトコン)賞 わーい! 髙住 雅彦
27 NHK福島放送局賞 秋霜 鈴木 健一郎
28 福島テレビ賞 冠雪 林 彪
29 福島中央テレビ賞 真夏の休日 馬場 正幸
30 テレビユー福島賞 イワレンゲに集う 古山 典子
31 二科会写真部福島支部長賞 遠藤 教夫
32 (株)第一印刷賞 ひっそりと 小栁 光市
33 (株)民報印刷賞 貴婦人 冨岡 榮子
34 福島トヨタ自動車(株)クラウン賞 紅い朝 渡部 幸一
35 福島トヨタ自動車(株)プリウス賞 虹風 坪池 利明
36 福島トヨタ自動車(株)ランドクルーザー賞 冬物語 管野 悟
37 カラーサイエンスラボ賞 木陰の彩り 佐藤 仁志
38 額縁のミヨシ賞 ちいさな春 佐々木 真由子
39 お料理かねと賞 視線 丹治 和子
40 ヒロヤ写真賞 とうろうまる 熊田 孝一
41 おやま写真賞 落葉浮遊 石津 節男

◇委嘱の部

42 福島県写真連盟特別賞 到彼岸 佐久間 陽也
43 福島県写真連盟特別賞 早春 泉田 昌和
44 福島県写真連盟特別賞 戯れ 清野 真紀子
45 福島県写真連盟特別賞 北へ旅立ち 高橋 勝美
46 福島県写真連盟特別賞 静穏 山口 元広

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審査員講評  - 第52回福島県写真展入賞作品 -

講評は、第52回福島県写真展審査員 岡本 洋子 氏です。上位入賞作品7点の講評を掲載しています


岡本洋子先生のプロフィール
 東邦大学理学部生物科卒業、会社勤務の後、日本写真芸術専門学校にて写真を学ぶ。
 卒業後は、写真家 藤井秀樹氏、秋山庄太郎氏のアシスタントを務め、独立。
 花や植物、風景をメインに撮影。各種撮影会や写真教室講師を務め、写真雑誌への寄稿や共著多数。こだわり花クラブ主宰。
 女子美術大学非常勤講師。日本写真協会会員、日本自然科学写真協会会員。

  岡本洋子先生のホームページへ 



◇ 福島県写真連盟大賞・福島県知事賞 「春待つ湖上」 高橋 直裕 氏

 展示された300点近い作品にはそれぞれ好いところがあり、審査するのに悩みました。この作品を福島県知事賞に選んだ決め手としては、見事な迫力でした。一面の氷の中を船がつき進んで行く状況を俯瞰で撮影されており、舟の航跡を斜めに捉えたフレーミングも良く、氷の寒さ、早朝の張り詰めた空気感がよく出ています。完成度の高い作品でした。



◇ 福島県教育委員会教育長賞 「領域展開」 堀川 亮 氏

 この作品は、パッと見た時に、蜘蛛の巣がパラシュートが開いたように見えました。光の状況や太陽の位置も計算されていて、暗い背景に白い蜘蛛の巣が浮かび上がるように撮影した技術力の高さに脱帽です。プリントはマット系の写真紙ですが、この様な絵柄の場合は、写真用紙やクリスタル系の光沢のある写真紙の方が更に映えると思います。


◇ 福島県芸術文化団体連合会長賞 「宇宙へ」 齋藤 ひろ恵 氏

 ぐるぐる回る花火の中心に、帽子をかぶったシルエットが浮かび上がり、どのような状況で撮られたのか興味が湧きました。花火を回す時間、シャッタースピードをどれくらいにしたらいかなど撮影テクニックも必要ですね。花火とシルエットでシンプルにまとめたところがアートな作品になりました。


◇ 福島県議会議長賞 「一番列車」 遠藤 康彦 氏

 うっすらと霧がかかる渓谷にさしかかる一番列車。車窓から漏れる光が水面にも映って幻想的な風景です。人々はまだ眠りの中にいるのでしょう、静かな時の流れを感じさせてくれます。詩情豊かな作品になりました。


◇ 福島市長賞 「春眠」 矢舘 実也 氏

 見たときに、なるほどこう撮ったかと思いました。私だったら映り込みを邪魔する枯れたハスの枝は重ならないように撮ろうとしたでしょう。作者はあえて枯れたハスの枝と映り込んだ桜を重ねて撮影し、冬と春の合作、不思議なアート作品に仕上げました。


◇ 福島市教育委員会教育長賞 「仲直り」 熊田 裕子 氏

 昔懐かしい校舎の教室の中で、黒板を背に二人の女の子がにこやかに笑っています。タイトルが“仲直り”なので、喧嘩でもした後なのでしょうか。場所の選定と人物のマッチングがすばらしく、見ていてほんわかする、温かい写になりました。


◇ 福島市文化団体連絡協議会長賞 「狐火」 高橋 大 氏

 赤く炎ように見える光の中、般若の面をかぶった踊りてがブレる事によって躍動感があります。迫力の中に色彩の美しさもある一枚になりました。イベントでの演出とのこと。興味を持って様々な撮り方に挑戦する瑞々しい感性がいいですね。 



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